【1月学校だより】
苦しいとき、つらいときに
心に沁みる言葉や行動について思うこと
南部中学校長 黒見隆久
1月もあっという間に「行って」しまいました。2月は「逃げる」、3月は「去る」と言われるほど、月日、時間が早く過ぎていくように感じられるのは、日本独特の感覚なのかも知れませんね。
今年のスタートは、能登半島地震、羽田空港の旅客機事故など、悲しく心痛む出来事がありました。能登半島地震では、200名を超える方々の尊い命が失われ、未だ行方不明者もおられます。避難所での生活を余儀なくされる方々のニュースを見るにつけ、「自分には何ができるのだろうか?」と自問自答したり、今すぐに何もできない自分にいらだちや無力感を感じます。被災地の方々に一日も早く安心、安全な生活が戻ることを願うばかりです。
そんなつらい話題の中でも、被災地に多くの支援ボランティアの参加があることも報じられています。一般の方も含め、各都道府県・市町村、消防署、警察署、自衛隊などから救助、捜索、避難所支援、事務手続き補助などさまざまな支援の手が届けられています。南部町からも役場職員の方々が出掛けられたと聞いています。
苦しい思いをしているときにこそ、本当の人の温かさや優しさが感じられるのだと思います。先日、車のラジオを聴いていた時に、被災した方からのこんな投稿が読まれました。
『〇〇に住む友人から、「大丈夫?」って連絡があった。本当は大丈夫じゃないけど、「大丈夫」としか言えなかった。とてもつらくなってしまった・・・。』
遠くに住む友人はこの方のことをとても心配して、「大丈夫?」と声を掛けたに違いありません。この方は、そんな友人に心配を掛けたくなくて思わず「大丈夫」と答えたのだと思います。でも実際は・・・・。
どう声を掛ければ良かったのか?・・・何が正解なのか?・・・はわかりません。(一人ひとりが考えてみるべきことかなと思います。)私もごく当たり前の光景、やりとりとして感じていましたが、思わずハッとしました。人権教育でも「相手の気持ちを考えて」とか「相手の立場になって」とかよく言います。しかし「相手の気持ちに寄り添う」というのは、そう簡単なことではないんだな、心から相手も心配し、いたわり、尊敬の念を持って接するということは、どういうことなんだろうと改めて考えました。
こうやってお互いに支え合い、励まし合って生きていくことは、私たち人間の素晴らしい、誇らしい、賞賛すべき能力であり感性だと思います。当たり前の日常の中でも、ふっと自分の見方や考え方を振り返ってみることは必要なことかも知れませんね。
保護者の皆さま、地域の皆さま、今年もどうぞよろしくお願いします。