「当たり前」を積み重ねることで生まれること・・・「特別」
南部中学校長 黒見隆久
コロナ禍での生活も3年になります。学校でも家庭でも、今まで当たり前にしていたことが、制限されたり、できなくなったりする日々がまだまだ続いています。しかし反面で、この「当たり前」を見直してみたことで、その大切さに改めて気づいたり、新しい「当たり前」をつくっていくことの必要性を感じたりすることができたと思っています。
例えば、『給食は、前を向いて、おしゃべりをせず、一人で食べる。』ことにしています。マスクを外して飛沫が飛ぶことによって感染のリスクが高まるからです。給食時間は、みんなで班になって準備をしたり、ワイワイおしゃべりをしたりする楽しい時間だった「当たり前」が今はできません。友達とおしゃべりしながら食べる給食は、やっぱり大事だったんですよねぇ。
部活動も同じです。活動しないときはマスクをする。からだの接触はできるだけ避ける。部室では必要以上にしゃべらない。大勢で入らない。など、みんなでやることの楽しさや一体感が感じにくい状況が続いています。
昨年の体育祭や文化祭を思い出してみると、半日の開催に変更したために、内容や準備の仕方に工夫を凝らし、いつもより時間と関わりを大切にした中身の濃いものになったと思います。今までの「当たり前」から新しい「当たり前」を創り出した、まさにピンチをチャンスに変えた出来事だったと確信しています。
こんなふうに考えると、「当たり前」というのは、一見、簡単で普段はあまり意識しないことですが、とても大切なことだったり、続けるのは案外難しいことだったりします。だから、もしその「当たり前」がやり遂げられたら、とても「特別」なことになっていくものではないかと思えるのです。
今年の生徒会の目標(9月のゴール:徹底事項)の中に、『日常(自分からあいさつをする、あいさつされたら返す)』と掲げてあります。あいさつをするって当たり前のことなのに、「あんまり意識してないなぁ・・・。」、「ちょっと苦手だなぁ・・・。」、「やってるつもりだけどなぁ・・・。」ということはありませんか?「当たり前」になるほど意識しながら、一人ひとりが・・・・・、みんなで・・・・・取り組んでいったら、きっとどこよりも気持ちのよいあいさつのできる「特別」な学校になるのではないでしょうか。『おはよう!』、『行ってきます!』、『こんにちは!』、『さようなら!』、『おやすみ!』・・・あいさつが飛び交う生徒、先生、家族、地域でつくっていきませんか?